苦境に陥る南ア経済 : BRICS

投稿者: | 2016年02月16日 01:09

BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア)経済が資源価格安で今やガタガタになってきていますが、その中でも南アは中国経済との結びつきが強く、中国経済悪化(輸入の減少)の影響をまともに受けています。
そしてこの影響が南アで活動をしているスイスのグレンコア(かなり経営が悪化しておりいつ倒産してもおかしくはないとも一部で噂されています)やイギリスのアングロ・アメリカン(既報の通り、今日ジャンク債へ格下げを受けた企業です)の業績を直撃しており、大幅な鉱山閉鎖と人員削減を計画しているとロイターは伝えています。
南ア政府は今後32,000人の雇用が消滅するとしていますが、鉱山関係者は5万人を超える削減となると予想しており、これは鉱山関係全従業員(50万人)の10%にもなる膨大な数となっています。
すでに4万7千人が解雇されているとされており、これに更に5万人以上が解雇されれば、総従業員の20%にもなる数が解雇される事態になります。

資源価格暴落の影響を受けて<南アランド>は一年間で25%もの下落をし過去最安値をつけていますが、今やBRICS全体で通貨安競争に入っており、今後これが加速していけば、今でも中国以外で年間1兆円規模の資金流出となっているものが更に加速しBRICS経済が破壊されることは避けられません。
南ア経済は今や崩壊寸前にまでなってきていますが、現大統領一族の膨大な不正蓄財疑惑もくすぶっており、下手をしますと政変が起こる可能性もあり、そうなれば西側が投資した膨大なお金は「ジャンク」として消えてなくなります。

 

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