再度落ち込んだ中国の輸出と貿易黒字

投稿者: | 2016年05月09日 09:22

4月の中国の貿易統計が発表され、輸出は一年前に比べ1.8%減少の1728億ドル、輸入は10.9%減少の1272億ドルとなり、貿易黒字額は456億ドル(円換算で4.8兆円余り:年率換算で58兆円)となっています。

アメリカのトランプ候補は中国との貿易でアメリカは3000億ドル、円換算で32兆円余りの赤字になっており、これを解消するべきとしており、日本とも同じスタンスを取っています。

中国は60兆円もの貿易黒字を記録する巨大貿易国であり、もういい加減黒字は減らしても良いのではないかというのが
トランプ候補の持論なのです。

アメリカは日本とは直近では年率換算で15兆円余りの貿易赤字を記録しており、中国とは30兆円余り、日本とは15兆円余りの赤字となっており、この2ケ国だけで45兆円余りの<貿易赤字>となっており、これを解消させるとしているのです。

またアメリカの航空機を買えとなるのでしょうが、そろそろ政府専用機も買い替える時期に来ており、B747型機からB777型機に換えることを求められるのは当然として、アメリカ製品をもっと輸入するか、日本の輸出品である自動車に対して高率な関税をかけるというのもトランプ氏らしい政策と言えます。

中国は膨大な黒字をアメリカでの事業投資に使っており、バランスからすればさほどアメリカは損をしていないかも知れません。
このため、トランプ候補から大上段から「中国はけしからん」という意見が出てこないのかも知れませんし、中国によるトランプ候補への工作活動がしっかりしているのかも知れません。

膨大な貿易黒字をアメリカに還流させる中国の政策はある意味、理に適ってはいます。
ただ、いつまでも還流だけではだめであり、今後中国からの輸入品に対して高率関税を課すとなれば、アメリカ以外の国に中国製品が流れ込み、物価下落に拍車をかける(デフレをまき散らす)ことになるかも知れません。

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