香港経済

投稿者: | 2016年05月26日 08:15

現在、中国とのビジネスの詰めのために香港に来ておりますが、ほぼ半年ぶりになりますが、コンテナの数が更に減っており、如何に物流が止まっているかわかります。
唖然とする程、コンテナが埠頭にないのです。

メイドインチャイナ製品を香港経由で輸出したり、海外製品を香港経由で中国に持ち込むために香港にコンテナが集まりますが、それが今や両方とも激減しており、このような状況が少なくとも一年以上続いていることになります。

また香港有数の高級ショッピングセンターには人はいますがブランド店には殆ど人がおらず、驚いたことにいつもはバックが殆ど置いていないエルメス店にバックがずらっと並んでいたことです。
世界で最も品物があるのではないか?と思える程、バックが並んでいました。

中国人の「爆買い」と言えば、エルメスのバックと決まっていましたが、今やそれが終わってきているのだとすれば世界的ブランド品の売り上げが減少しているのも頷けます。
(これは本来なら良いことであり、通常の状態に戻りつつあると言えるのです)

また超高級ホテルのレストランに招待されましたが、香港の最高の夜景が見えるレストランでしたが席はガラガラであり、香港名物の足マッサージ店に行きましたが、経営者が変わっており、かつ新しい店は客がまばらであり、一体これはどうしたことか?と思える程、人もお金も動いていないのが分かります。

街の不動産屋には価格変更した物件案内が張ってありますが綺麗に価格変更を書いているのではなく、書きなぐっており、人の心が荒れているのが分かります。

世界の富が集まる香港経済がひどい状態になりつつあるのが良く分かりますが、香港は中国の「窓」であり、その「窓」にひびが入り始めているとなると事態は深刻となります。

今日は香港でも有数の不動産・金融機関の幹部から夕食の招待を受けており、また色々話を聞いてきたいと思っていますが、トップクラスの生活は何ら変わらないようで、大富豪と言われる中国ビジネスのカウンターパートの話を聞いていて、スケールの大きい話は中国人は好きですが、それにしても大きすぎると思ったりもしていますが、どこまでが「本音」でどこからが「はったり」なのか、見極める必要があると思っています。

中国人は外交問題でも話を大きくする癖があり、それを本音として捉えて対処するととんでもない事態になりますが、経済でも同じで、事の真相が別のところに潜んでいることを分かる必要があるのです。

「この相手は信用できるかどうか?」ということを絶えず頭に隅に入れて話をする必要があり、勿論警戒ばかりしていては前に進まないのも事実ですが、無防備で前に進み、とんでもないリスクに直面することもあるのが中国ビジネスであり、この兼ね合いは難しいものがあります。

多くの日本企業が今中国ビジネスで打撃を受けてきているといわれており、「まさかそのような事態が起こるとは」となっている
のでしょうが、徹底したリスク管理をしていてもリスクは絶えずあるのがビジネスであり難しい問題かもしれません。

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