異常に落ち込んだ三越売上高(5月)と消費税問題

投稿者: | 2016年06月02日 11:25

5月のデパート4社の売り上げ高が発表され、以下のようになっています。

大丸・松坂屋 -7.1%
三越・伊勢丹 -6.7%
そごう・西武 -3.9%
高島屋    -1.7%

この中で三越・伊勢丹を見てみたいと思いますが異常な落ち込みを見せている店舗があるのです。

      前年比
銀座三越 87・0%

13%も売り上げを落としているのですが、地方を見ますと更に落としている店舗があります。
       前年比
伊勢丹府中  81・3%
伊勢丹相模原 86.1%
三越千葉   88.4%

銀座三越は「爆買い」にシフトしたことで、今までの上客が「飛び」、そして今高額商品を買う中国人が激減したことで一気に苦境に落ち込んでしまっている
のです。
<発表文:インバウンドは、前月に引き続き苦戦。主力アイテムの化粧品の他、子供服は好調の一方、宝飾時計など高額品が苦戦>

今回、消費税引き上げが見送られたことで、今後企業は一層苦境に落ち込むかも知れません。
何故なら、消費税度引き上げの前後に便乗値上げを考えていた企業が多くあるはずだからです。
端数を切り上げたり、元の値段を5%、10%引き上げておき、消費税引き上げに併せて税込価格を引き上げる算段をしていた企業も多くあるはずだからです。
これが無くなる訳であり、今後企業は売上不振を挽回するためには、値下げをして数量を稼ぐ戦法に転じるはずであり、一層デフレが進むことになります。

日銀の黒田バズーカ金融緩和でも想定した2%の物価上昇は出来なかった訳ですが、今後消費税引き上げ凍結という<逆噴射>で物価はマイナスに落ち込み、
デフレが進むことになれば、所謂アベノミクスは終焉することになります。

インバウンド(爆買い)が減少し、「マダム」が消えていけば、デパートは売上を20%以上落とすことが普通になり、赤字になり経営が成り立たなくなることもあり得ます。

銀座三越の売り上げが一年前に比べ<13%>も減少したことは危機が進んでいることを示していると言えます。

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