国際問題:アグレマン拒否(ウクライナ)と日本・アメリカの立場

投稿者: | 2016年08月21日 07:39

ウクライナ政府は、ロシア大使交代のアグレマン(事前承認)を拒否しており、このままいけば、ロシア・ウクライナ関係は代理大使レベルに格下げされ、最悪の場合は国交断絶にまで発展することになりますが、プーチン大統領は、メドベージェフ首相と会談後、「国交断絶するつもりはない」と述べており、今回のウクライナの策に対して対外的には「ロシアは何も悪くない」という態度をとっています。

ただ、この「断交するつもりはない」発言を額面通りに受け取る専門家はいません。
なぜなら、プーチン大統領はクリミア半島でロシア軍人と情報部員2名が銃撃され死亡したことを受けて、ウクライナとの断交をメドベージェフ首相に指示をしていたからです。
それを今度は「国交断交をしない」となると、一体どちらを信用したらよいのか、となるのです。

ウクライナをロシアはどうするのか。
最近表に出てこなかったメドベージェフ首相(一部では不仲説が流され解任されるのではないか、との噂がCIA等から流されていました)が最近表舞台に登場してきていますので、秘密裏に動き対策を練っていたことが片付いたのかも知れません。

クリミアを併合したロシアの狙いは、ウクライナをロシアの傘下に入れることであり、それが完了した際には、メドベージェフ首相をウクライナのトップに持ってくるとも言われており、今はその下準備をしている最中だと言えます。

ロシアは今トルコ・イラン・サウジアラビアで攻勢を強めており、アジアでは中国と合同軍事演習を行ったり、北方領土及び千島列島に軍事基地を構築したりと、内向きになるアメリカをあざ笑うかのように積極的に動いています。

内政的に問題(クーデター等の恐れを持っている国)がある元首はどこかに守って貰う必要があり、それが今まではアメリカだった訳ですが、イラク・リビア・エジプトを見ればそれは間違っていたとなり、今や世界中の独裁国家元首(権力者)によるロシア詣が続くとなりつつあり、それをチャンスとしてプーチン大統領は一気に攻勢に出てきているのです。

日本がその「渦」の中に入って果たしてうまく立ち回ることが出来るでしょうか?
安倍総理の手腕が試されています。

関連する記事

カテゴリー: NEW